【練習・試合にて:その1】

 

2)ウォーミングアップ時の大切な仕事

 近年、ダイエットに対する注目が高まりもあり、筋トレやストレッチなどスポーツの様々なトレーニング理論も広く知られるようになりました。しかし、少年野球チームにおいてはまだまだ理論的な指導というのは浸透していないように思われます。またチーム内においても、ウォーミングアップの意味や正しい方法について知識が共有されていないことが多いようです(キチンとしているところもあります)。当然ながらウォーミングアップやストレッチなどを正しく実施することはもちろんですが、その内容についてはこのコラムでは語らず、別のことについて考えてみます。

 ウォーミングアップの時、あるチームでは指導者・コーチが子供たちの様子を見ずに、校門の外で煙草を吸っています。子供たちはランニングや体操・ストレッチなどいつものメニューをキャプテンが中心となって淡々とやっています。その内容も決して正しいとはいえない状況です。コーチたちがきちんと指導をしないことも大きな問題ですが、もう一つはこのウォーミングアップの時間にやらなければならないことがあるのです。それは子供たちのコンディショニングのチェックです。ウォーミングアップ時に一人一人の動きに注目し、怪我や体の調子はもちろんメンタルも含めてチェックします。「この子はまだ股関節が固い」など個々の体の特長を確認できるなど、そうしたデータを頭に入れておくことでフォームづくりの際などにも役立ちます。そして子供たちと雑談などしながら、性格の把握とメンタル・コンディションのチェックを行います。つまりウォーミングアップ時に、子供たちは運動の準備を、コーチは子供たちの状況を分析しながら練習メニューの準備をするのです。単調になりがちなウォーミングアップも、コーチとの対話の場にしていくと、子供たちは自分たちが見られれている事を意識し、その内容も一層充実させることも可能です。もちろん「あれやれ、これしろ」と言っているだけではダメです。 

3)ランニングを楽しもう!

 野球において「走る」ことは重要なことです。走塁・守備はもちろん、投手や打者の下半身づくりにも欠かせない運動です。しかし、練習では走力の向上を目的としたトレーニングがあまり行われていないように思います。短いダッシュなどもよいですが、ミニハードルなどもも上げを目的したトレーニング、ジャンプ系トレーニング、ラダーなどを使ったSAQトレーニングなどいろいろあります。道具もペットボトルなど工夫次第でいろんなトレーニングができます。筆者がよく行ったのは、鬼ごっこ(泥棒と警察にわかれます)やリレーなど競争意識が高まるものです。気持ちも盛り上がりますし、全力で走る利点もあります。

 チームによっては、未だにランニングを罰則やしごきのように行っているところがあります。エラーをするとランニング、試合に負けるとランニング、練習のラストはへとへとになるまで全員でランニング…そんなことばかりされると、多くの子どもがランニングが嫌いになります。足の遅い子ならますます嫌になるでしょう。野球に不可欠な「走る」ことなのに嫌いになればどうなるか…。

 筆者はランニングは楽しいモノだと思っています。思い切り走れば、確かに疲れたり苦しいことはあります。でも子供は楽しいと走り回っています。もしくは逆かもしれません…走るから楽しいのです。足が速いことは子供たちにとってあこがれでもあります。足が速ければクラスのヒーローにもなれるのです。少し話がずれたかもしれませんが、子供たちを「走り」好きにさせれば、個人の能力アップやチーム力があがることが大いに期待できます。だからこそ、楽しいランニング・トレーニングをオススメします。

1)朝は元気なあいさつではじめよう!

 朝、集合場所に集まってくる子供たち。彼らはどんな挨拶をしてくれますか。

姿が現れるとすぐに大きな声で「おはようございます」という子。指導者の目の前まで来て挨拶する子。こちらが挨拶をするまで何も言わない子。とにかく何も言わない子…。

 挨拶にもいろんなパターンがありますが、本人が自然と発する挨拶とやらされている挨拶があるように思います。例えば、あるチームでは集合場所に現れるとすれ違ったときは何も言わなかったのに、自転車を置いてから指導者の目の前に走っていき「おはようございます」と帽子を脱ぎ頭を下げて挨拶をします。そして他のコーチ一人一人の目の前に言って挨拶をはじめるので、やがて子供たちの挨拶の行列が出来ます。これは、指導者から挨拶の仕方として指導を受けているからです。中には集合場所に現れた子どもにこちらから「おはよう」と挨拶しても何も言ってくれず、あとから改めて挨拶に来る子もいます。こういう挨拶を筆者は気持ちの良いモノとは感じません。集合場所なら、そこにいるみんなに向かって大きな声でひと言いえばいいではないでしょうか。目と目が合えば、知り合いなら挨拶を交わすのが自然と思うのですが、どう思われますか。またユニフォームを着ているときは挨拶しても、普段町中で会った時は挨拶の声もなく、チラリとこちらを見るだけ、中には軽く会釈だけする子もいます。いつも同じように「おはようございます」「こんにちは」と声をかけてほしいと思うんですが…。

 最近の子供たちは挨拶が当たり前でなくなっているように思われることがよくあります。親御さんの中には、挨拶を含め礼儀正しくなってもらいたいからスポーツをはじめさせたという方もいます。しかし、知り合いのあるコーチは「挨拶は基本的に家庭教育の問題だ」と言っていました。これは正論で、日常での礼儀作法や慣習と言ったものはご家庭で教育するものだと思います。朝の挨拶などは日常における礼儀のひとつといえます。

 スポーツにおいては、形式的なものも含めて様々な挨拶をする機会があり、それ自体大切な要素でもあります。

例えば野球では試合開始の挨拶や他のチームとの挨拶の他に、号令や返事、感謝や謝罪の言葉など特有の礼儀作法のようなものがあります。こういった特有の礼儀作法は、だいたいが先輩から後輩に受け継がれるものですが、知らなければ指導者が教えなければならないでしょう。

 挨拶の役割とは、自分の存在を認めてもらう行為であり、同時に仲間や相手を認める行為ではないでしょうか。少年野球でも指導者は、挨拶の大切さを子供たちに教えてあげるべきだと思います。試合に限らず相手チームに何故挨拶するのか教えてあげてください。ただ「形式だから挨拶しろ」ではなく、その意味を考えさせてください。一人では競技スポーツはできません。これは社会生活においても同じで、私たちは一人で生きていません。

 指導者・コーチの方は「挨拶をしなさい」と指導する以前に、まず自分たちがきちんと挨拶が出来ているか確認して下さい。子供たちや親御さん、若輩者から挨拶をするのが当たり前と思っていませんか。相手に気付けば、まずこちらから挨拶するべきではないでしょうか。もちろん礼儀作法は家庭教育が基本と思いますが、子供たちにとって指導者やコーチは彼らが尊敬するお手本でもあるのですから。そして挨拶と同様に、「お願いします」や「ありがとうございます」といった礼儀や感謝の言葉も自然に言えるようにしてあげて欲しいと思います。

4)キャッチボールは見所いっぱい!

 指導者・コーチの中には、ウォーミングアップ同様、キャッチボールを子供たちにやらせておいてほったらかしということが少なくありません。キャッチボール時は選手のコンディションをチェックすることはもちろんですが、投球・捕球の悪いクセを修正したりする機会でもあります。ひどいコーチはキャッチボールを見ずに、練習中に暴投するとコントロールが悪いと指摘します。これでは指導という過程を怠り、結果を批判しているだけです。

 キャッチボールは「投げる」「捕る」の要素がありますが、どちらも「打つ」動作に相通ずる点があり、

野球の基本が詰まっているともいえます。例えば、軸足のタメや体重移動・体幹の回転、また目線の使い方・タイミングの取り方などが投・捕・打で関連しているところです。つまり、キャッチボールを見ることは、子供の野球能力を見ることになります。またどういう投げ方、動き方をしているかで守備位置の適応も想像できます。キャッチボールは、見れば見るほど奥深く、重要な指導ポイントでもあるのです。

 ところで、チームによってはキャッチボールをやり過ぎているように思います。野球の基本だと言ってただ長々とやっていませんか。長いとボールをだらだらと追いかけたり、適当に投げたり、守備練習の時は肩が疲れている子もいます。筆者自身は、まず肩を暖めるようにゆっくりはじめて、徐々に早めのキャッチボールを行い場合によって遠投かボール回しを行いますが、疲れず集中できる時間で行うことが最善だと思います。

 筆者は練習時はできるだけいろんな選手・子供たちとのキャッチボールに努めています。一対一のキャッチボールでのコミュニケーションです。相手となる子どもはみんなうれしそうに、しかも真剣に力試しでもするように思い切り投げてくれます。もちろんこちらもモチベーションをあげる言葉を掛けます。「ナイスボール!」「ここが前より良くなったね」「君ならもっと速い球が投げられんじゃないかな」「本当はピッチャーをしたいんだろう」などと声を掛けながら、フォームをチェックしたり、メンタル面を探ります。もしやる気が感じられないときやフォームが悪いときは、長々と続けず短く終わります。調子が悪いときは続けても良い結果は得られませんので、後の練習でどうすれば良いかを検討します。そして、キャッチボールで選手の成長を少しでも感じれた時はうれしくてたまらないのです。

 なおキャッチボールをしながら怒ることは禁物です。暴投ならまずは「ドンマイ」と声を掛けて続けます。もし暴投の原因がわかれば、どうやって投げたほうがいいのかアドバイスします。これは、お子さんとキャッチボールをするお父さんにも心がけて欲しいことです。我が子がいい球を投げないと苛立つ親はダメ、野球の初心者相手に怒るのは絶対にやめましょう。特に小さいお子さんには細々とアドバイスせずに、できるだけ好きに投げさせましょう。その方が秘めた運動能力を引き出すことが可能です。心配しなくとも彼らが野球を好きになり続けていれば、体も成長し親父よりいい球を投げるようになりますよ。それにお父さんとのキャッチボールが好きになれば「またやりたい」と子供も思うはずです。

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