【練習・試合にて:その5】

 

16)スベリ方・コケ方・ブツカリ方

 『すべる・こける・ぶつかる』とは、野球におけるプレーの中で起こりうるの危険な状況です。そうした危険を避け怪我をしないようにするために、表題にあげた『スベリ方・コケ方・ブツカリ方』の3つを

子供の時に身につけていてほしいと思います。なお『すべる』はツルッとすべって転ぶ=『こける』ことですが、『スベリ方』はスライディングのことを意味しています。


 『スベリ方』を身につけるとは、野球でいうとスライディングが上手になることです。走塁で行うスライディングをきちんと出来るようになれば、スライディングキャッチも出来るようになり、守備で思い切ったプレーが可能になります。足からの滑り込みも頭から行くヘッドスライディングも、自信を持って出来るようになることが大切です。中途半端に不安を持つことが一番怪我をしやすいでしょう。足からのスライディングはお尻で、ヘッドスライディングは胸とお腹ですべるようにします。(ここでは、足の向きなど細かいフォームについては書きませんのであしからず)


 『コケ方』は柔道でいう受け身です。前方への倒れ込みや回転しての受け身など、柔道の受け身を参考にしてくださるのが一番良いでしょう。または前回りの練習などをしておくのも良いと思います。とにかく転けたときの力・衝撃を安全に受け止める、もしくは逃がすような動きがを練習します。また頭を守るようにすることも重要です。回転しての受け身は、守備でボールに飛びついた後、一回転して身を立て直してすぐに送球体勢にはいることも可能です。


 野球の中で“ぶつかる”状況というのは、守備で壁にぶつかったり、ボールを追ってチームメイトと衝突したり、走塁時に滑り込んだときに守備の選手と交錯したりする場合です。

 守備における壁際でのプレーにおいて大切なのは、試合を行うグランドの壁と自分の守備位置の距離感覚を練習で確認しておくことです。プロ選手でも試合前の練習で確認していることがあります。そして試合中は、ボールを追って壁が近くなったと思ったら、グラブをしていない方の手を進行方向に出して壁に注意します。簡単なようですが、こうしたことも練習しておいた方が良いでしょう。プロが使うような球場では壁際の地面の色を変えるなどの工夫をしていることもあります。また、壁に向かってスライディングで足からぶつかるのも、壁際で怪我をしにくい方法です。そして『ブツカリ方』ではありませんが、飛球を追う時、目をボールから一端切って、進行方向をチラリと見る技術が出来るようになると、ぶつかることを避けることもできます。

 チームメイトとの衝突に関しては、やはり声を出し合ったり、練習で互いの守備範囲をしっかり確認し合うことがまず第一です。しかし、ボールを追って夢中になると周りが見えなくなるものです。とにかく起こりうることを、しっかり頭に入れて練習しておくことが大切です。そうすれば声の有効性が子供にも理解できると思います。


 次は、走塁時に滑り込んだときに守備の選手と交錯する場合です。もしぶつかると思ったなら、足からのスライディングの場合は胸の前で腕でガードを作って滑り込みます。ボクシングのガードのような感じです。腕をクロスしても良いです。手は握って(グー)で指は伸ばしません。正面から当たるとき気をつけたいのは、頭と折れやすい鎖骨です。ガードで鎖骨を守り、頭が当たってむち打ちにならないようにします。ヘッドスライディングは、指や身体を踏まれる可能性があるので注意が必要ですし、守備とまともに当たるようなときは使ってはいけません。逆に守備の選手は、ベースタッチの後飛び上がったり、ベースへのタッチを工夫するなどして、走者をうまくよける手立てを練習してください(小学生には技術レベルが高すぎますけど)。捕手はホームでのタッチプレー時の正しいスタイルを覚えてください。基本は左膝を立て、左膝のレガースで相手を受け止めます(送球方向によって右膝になることもあります)。しかし、これは指導者によってかなり異なることが多いようです。左足を寝かせてベースを隠すようにし右足でブロックするスタイルを教える方もいますが、これは左足のレガースのない部分を踏まれたり、膝を痛めたりすることもあります。またファールゾーン側から走者に回り込まれると、対応できないという弱点もあります。


 スライディングの練習はともかく、受け身や壁際のプレーの練習など本来あまりしない(もしくは全然しない)ものですが、怪我をしないという観点からぜひ指導していただきたいと思います。いずれにせよ、事故は突然であり咄嗟のことですから、動きを経験(練習)しておくことは何もしていないよりは良いと考えています。また、そうした回避する動きを、自信を持って出来るようになれば、きっとダイナミックな思い切ったプレーをさりげなくしてくれるかもしれません。あくまでも怪我をしないための練習であることを忘れないで欲しいと思います。

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