【チーム・他について:その2】

 

5)子供がチームを辞める理由

 入団し共に過ごしてきた子供が、卒団前つまり小学校の卒業前にチームを辞めることが時々あります。

その理由は様々。本人の事情による理由もあれば、チームに原因があることもあります。

 本人に理由がある場合は、①野球をやる気がなくなった②ケガや病気のため③学業(受験)のため④引越など。チームに要因がある場合は、①指導方針が合わない②チームの仲間と合わない等が主な理由ですが、その中身は複雑な事情が折り重なった結果ということもあり得ります。

 まず本人に理由がある場合は、やはり一度本人と話をした方が良いでしょう。とにかく理由を聞くことが大事ですが、もし言いにくそうなら親御さんと話をするのも良いでしょう。その上で引き留めるかどうかを考えます。指導方針に間違いはなかったか、はたまた彼の悩みを計り知れなかったのか等を知っておくべきでしょう。本当は続けたかったが、やむを得ず辞める場合は、その気持ちを理解してあげることが大事だと思います。例えば受験のため辞める場合がありますが、筆者は勉強で頑張ることも素晴らしいことだと思います。だから筆者の場合、受験という新たな目標ができたのなら「頑張りなさいね」と喜んで送り出します。そして「受験が終わったら、またチームに遊びにおいで」と誘います。可能なら休部扱いでも良いかと思います。ケガが理由なら、野球が十分に出来なくとも本人の気持ちが許すなら、チームメイトとして残って出来ることをしていても良いのではないでしょうか。特にケガの場合、子供が大好きなことを断念したり諦めなければならいため、子供によっては心に傷(悔い)を残すことも考えられますので配慮が必要です。

 さてチームに原因がある場合ですが、やはり本人と話をした方が良いでしょう。前述と同様に理由をまず聞く事が大事です。イジメなどがチーム内で起こっていた場合は、相手も含めてチーム全体を見つめ直す必要が出てくるでしょう。指導方針が合わない場合は、誤解がなかったか、親御さんに指導意図をもう一度お話ししてみるのも良いかもしれません。

 子供が辞める理由には、得てして子供自身より親御さんの考えが大きく反映しています。本人は続けたいのに、親御さんが辞めさせる場合もあります。また大人の人間関係が要因になることもあります。とにかく辞める理由の多くは単純なことでありません。複雑な気持ちが組み合わさって、辞めるという結論に至ることが多いと思います。その複雑さの中で、子供自身が巻き込まれ不本意な思いをしていないかが心配です。チームを辞めることは自由であり、選択の一つです。できるだけ辞める子供が納得できるように、ある意味“良い辞め方”ができればいいなぁと筆者は願っています。チームの子供たちは、野球という接点で巡り会った仲間です。チームに残る子供たちと辞めた子供が、辞めた瞬間から仲間でなくなるという感じになることがあります。しかし、ケンカ別れでもない限り、一時を共に過ごした仲間もしくは友人として、子供たちには付き合って欲しいですし、いつまでもチームを好きでいて欲しいと筆者は思います。

 子供がチームを辞める理由があるなら、とにかく話を全部聞くことです。全部はきだしてすっきりしてもらい、新たなスタートを応援してあげましょう。

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6)楽しい親睦会をやろう!

 筆者のいたチームでは、河川敷などでのバーベキュー、山での沢遊び、クリスマス会など、年に数回の楽しい親睦会を親御さん達のご協力で行っていました。親睦会の良いところは、子供たちがいつもの野球の練習では見せない表情や行動を見せてくれることです。子供同士の関係性や意外な性格など、いろんな発見があります。そして、参加してくださった親御さんと会話できる大切な機会でもあります。互いの考えを話すことは、信頼関係づくりにおいて欠かせません。指導者である監督やコーチは、話し手よりも良い聞き役になることを心がけることをオススメします。親御さんの考え方、子供たちのこと、いつも聞けない色々なお話しを聞かせてもらったり、聞き出したりすることで、親睦会も大きな意義あるものになります。子供たちにとっても、いつもと違う雰囲気の指導者を見る機会でもあります。監督・コーチは、くれぐれも羽目を外しすぎて(?)しまわぬようご注意下さい。そして、親睦会を野球仲間との楽しいひとときに、そして良い思い出になるよう盛り上げましょう。

7)親子マッサージのすすめ

 筆者が自分の子供に時々していたことなんですが、練習後、家にかえって息子に簡単なマッサージをしていました。運動後の疲労やスポーツ障害での痛みの緩和には、アイシングやストレッチなどが効果的ですが、筆者の行っていたのはメンタル的なマッサージといえるもので、仮に『親子マッサージ』と呼びます。

 『親子マッサージ』に、プロのマッサージ師のような技術はいりません。逆にプロをまねない方がいいかもしれません。あまり揉みすぎると筋肉が傷つき逆効果にもなりかねません。マッサージのタイミングは、入浴後の体が温まっているときがよいでしょう。やり方は、子供を正しい姿勢で寝ころばせます(背骨が曲がらないように)。力を抜いた姿勢なら、腕などは座った姿勢でもいいです。そして両方の手のひら全体を使って、筋肉に沿って、体の中心に向かってやさしく撫でるようもみ上げます。これをゆっくり繰り返します追記:揉む方向および順序は各部の末端から心臓に向かってが基本的な考え方です)。絶対に痛いと感じさせてたり、ツボなどを指で強く押してはいけません。ひたすらやさしくが大切です。あとはテレビでもいっしょに見ながら、いろんなことを話して、子供をリラックスさせます。間違っても「もっとがんばらんか!」などと云わないでください。撫でることはマッサージの基本であり、リラックスは疲労除去の基本です。そして、こうした親子の時間が、親が子を認め応援していることを子供自身が心と体で感じる良い機会になるのではと信じています。(イチロー選手のお父さんも練習後は、イチロー選手をマッサージしたそうです)


8)笑顔の力

 筆者がチームを辞めるとき、共に過ごしてきた子供たちのうち数人が手紙をくれました。どの手紙も心がこもっていて、指導者としてありがたくうれしい気持ちになりました。そうした手紙の中で、チームで唯一の女子選手である1年生の女の子がくれた手紙がとても心に残りました。

 『やめないでほしかったです。いつもやさしくしてくれてありがとうございます。ニコニコがお(顔)でいてください。わたしもニコニコ。いつもニコニコがいちばんです。どんなときでもニコニコでいて、そしておもしろいままでいてください』。この手紙を読んだとき、心がじーんと熱くなりました。筆者は子供たちへの指導の際に「元気を出していこう!」と口癖のように声を掛け、笑顔を心がけていました。彼女の手紙から、筆者は私の指導を彼女なりに受け入れてくれていたのだと思い、うれしくなりました。まだ彼女は1年生ですから、もちろん筆者の独りよがりかもしれませんが、筆者の方こそ彼女の言葉に感謝の気持ちでいっぱいになりました。そして、彼女に改めて教えられたよう気がしました。それが『笑顔の力』です。

 うれしい時や楽しい時は、自然と笑顔になれますが、人はいつも笑顔というわけではありません。しかし辛い時やピンチの時でも、笑顔になると少し緊張がほぐれます。苦しい時、意識してでも自ら笑顔になると力が湧いてくる気がします。悲しいときも、笑顔をしてみると少し元気になれるような気がします。例えば、笑顔の人と怒った人、笑顔の人と泣いている人、どちらと一緒にいるほうが心が和みますか。辛い顔ばかり見ていると、こちらも辛くなってきます。でも、いい笑顔は、それを見ている人にも笑顔を分けてくれるような気がします。特に、子供たちの笑顔は最高です。筆者は彼らの笑顔に、たくさんの元気をもらいました。彼らの笑顔のために、がんばらなくてはとも思いました。笑顔には、何か元気の素のようなものがあるのではないでしょうか。彼女の手紙は、そんな『笑顔の力』の大切さを教えてくれているように、筆者は思いました。

 いつも笑顔でいられるよう、自身が頑張らないといけません。どんなピンチだって、まだ笑顔がでれば何とかなるかもしれません。そして、周りの人が心から笑顔になり、自らも笑顔で過ごせることができるなら、それは幸せといえるのではないでしょうか。彼女の言うとおり「いつもニコニコ=笑顔がいちばん」です。


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